体の不調図鑑

五十肩(肩関節周囲炎)

肩の関節のまわりに炎症が起き、痛みと「腕が上がらない・後ろに回らない」動きの悪さが出る状態。40〜60代に多く、医学的には肩関節周囲炎などと呼ばれます。

3Dで原因の筋と対策を見る 無料で見られます

腕を上げようとして肩がすくむの姿勢を3Dの筋肉モデルで表示した画像。原因になっている筋を、弱い(緑)・こっている(オレンジ)・縮んでいる(紫)に色分けし、痛む場所を赤く光らせて示している

体の中で起きていること

  • 肩の関節包に炎症が起き、そのあと縮んで硬くなる
  • 棘上筋・肩甲下筋など腱板のまわりが縮み、腕が上がらない・後ろに回らない
  • かばって動かすため、肩をすくめる僧帽筋 上部や肩の後ろがこっている

痛む場所

肩の関節(外側〜前)

きっかけ

  • 加齢などで、肩の関節を包む袋(関節包)や腱板(肩の奥の筋の腱)に炎症が起きる
  • はっきりしたきっかけがなく起こることが多い
  • 痛みの強い時期のあと、関節包が縮んで硬くなり、動く範囲が狭くなる
  • 痛みで動かさないでいると、さらに固まりやすい

原因と対策

原因の筋の状態(弱い・こっている・縮んでいる)ごとに、対応する対策(使う・ほぐす・ストレッチ)を組にしています。「中心」は、この不調でとくに大切な組です。

原因縮んで硬くなっている 中心

  • 棘上筋
  • 肩甲下筋

関連: 棘下筋・小円筋・大円筋・広背筋・大胸筋

対策ストレッチ

痛みが落ち着いたら、力を抜いて少しずつ動かし、動く範囲を広げる

振り子運動(右)
左手を机などについて上体を前に倒し、右腕の力を抜いて真下に垂らす。体を小さく揺らして、腕が前後・左右・円を描くように振れるようにする。 腕の力で振らず、体の揺れで腕が動くようにします。痛みの出ない小さな範囲で。
肩のまわり(関節包・腱板)を、力を抜いたまま小さく動かす
壁で腕を上げる(右)
壁に向かって立ち、右手の指先で壁を少しずつ登るようにして、腕を前に上げていく。 痛みの手前で止め、肩をすくめないようにします。少しずつ高さを伸ばしていきます。
おもに広背筋・大円筋・大胸筋、肩の関節のまわり
腕を胸の前で引く(右)
右腕を胸の前で横に伸ばし、左腕で肘のあたりを胸に引き寄せる。 肩をすくめず、右肩を前へ出さないようにします。
おもに三角筋後部・棘下筋・小円筋・菱形筋

原因弱くなっている(うまく使えていない)

  • 棘上筋
  • 棘下筋・小円筋

関連: 肩甲下筋・前鋸筋・僧帽筋 下部

対策使う(鍛える)

回復期に、腕を外・内にひねる軽い運動で腱板を使う

肩の奥の筋を使う(回復期)
痛みが落ち着いた回復期に、肘を脇につけたまま、ゴムチューブなどで腕を外・内にひねる軽い運動をする。医師や理学療法士の指示のもとで行います。
対象: 棘下筋・小円筋・肩甲下筋・棘上筋

原因緊張が続いて、こっている

  • 棘下筋・小円筋
  • 僧帽筋 上部

関連: 大胸筋

対策ほぐす

肩の後ろと胸の前をほぐす

肩の後ろ(棘下筋・小円筋)
壁と肩甲骨の外側の間にボールをはさみ、体を少しずつ上下に動かす。痛みの強い時期は行わない。
対象: 棘下筋・小円筋
胸の前(大胸筋・小胸筋)
鎖骨の下から脇の前のあたりを、指の腹で押しながら小さく円を描くようにほぐす。
対象: 大胸筋・小胸筋

アプリでは、それぞれの対策の動きで使われる筋(赤)・伸ばされる筋(青)を3Dで再生し、ほぐす場所を番号の印で表示できます。

生活の工夫

  • 痛みの強い時期は無理に動かさず、痛みの出ない範囲で動かす
  • 寝るときは腕の下にクッションを入れ、肩が後ろに落ちないようにする
  • 温めると楽になることが多い(熱っぽく腫れているときは医師に相談)

こんなときは医療機関へ

転んだ・ぶつけた後の痛み、腕がまったく上がらない、夜も眠れないほど痛む、しびれがある場合は、整形外科を受診してください。腱板断裂など、五十肩と似た症状の別の病気もあります。運動は医師や理学療法士の指示に合わせて行いましょう。

ここで紹介しているのは一般的な情報で、診断や治療の代わりにはなりません。痛みやしびれがあるとき、症状が続くときは医療機関を受診してください。ストレッチや運動は痛みのない範囲で行い、痛みが強くなる場合は中止してください。